一瞬を切り取った 一枚の写真が わたしを物語る
「写真で表現する楽しさ、奥深さ」 「表現することとは?」を
自ら写真することによって探ってゆきたい。
表現することが生きる力になると思うから。
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一枚のプリントができるまで(8月6日レクチャーより)
プリントについてのレクチャーといっても技術的なノウハウの話ではなく、作家としてどうプリントするかという話は今までにあまり語られていないように思います。今回は松本路子さんの通常見ることのない密着焼き(コンタクトシート)や、納得の一枚へたどり着くまでの世に出ないプリントを実際に見ながらお話をうかがうという大変貴重な機会となりました。

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『コンタクトシートを自分でよく見て、どういう思いで撮ったか流れをたどる。試行錯誤した状況を検証することが大事。』

ネガを並べて等倍でプリントした密着焼き(コンタクトシート、ベタ焼と言ったりもする)。松本路子さんの密着焼きを手にするとそこには世に出ていない場面があり、時間の流れ、光が臨場感を伝えドキドキします。プリントするものに丸印があり、なぜそれを選んだのか、選ばなかったのか作家の判断が一瞬感じられます。その丸で囲まれた小さな写真が大きくプリントされ、最終的に写真家が世に出すことを認めたプリント、いわゆるオリジナルプリントになると明らかに深く魅力的な凛とした一枚の作品へと姿を変えます。
そこへたどり着くまでの、何枚も試されたプリントを拝見することで言葉を超えて学ぶものがありました。

同じネガから、人をテーマにした時と、場所をテーマにした別の展覧会では伝えたいところが違ったものになるのでプリントの仕方を変えたと言う話は、表現の繊細さを伝える興味深い話です。

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良いプリントとは? 
綺麗な美しいプリントが良いプリントなのか?プリントそのものより、何がうつっているかが重要なのか?プリントにおける考え方もいろいろですが、…
『内容はもちろん大事だけれどそれをどう見せるかも重要。自分の表現に合ったプリントを考えてみて。』

印画紙もメーカーによって色味が若干変わるので、目的や表現によって印画紙を選ぶということが必要です。また、自分で焼かない場合のオーダーの仕方は濃度とコントラストについて明確な指示をすることなど、具体的な話もありました。
これについては恥ずかしい失敗を思い出します。初めてオーダーする際、どういう気持ちで撮ったか説明し、濃度とコントラストの指示を怠り、失笑されたことがありました。意思を伝えるには抽象的では伝わりません。

今回のレクチャーでフィルムに写された映像が一枚の写真作品になるには自分のテーマ、核、伝えたい思いとともに、こうしたらこうなるという技術と経験がリンクしあって生まれるものだと改めて知りました。
まだまだレクチャーでは「知った」段階ですが、実際体験してみるとそれが「なるほど! と分かる」体験になるはずです。レクチャー中に『知ると分かるでは違うのよ』という言葉も印象的でした。写真ワークショップ〈光を束ねる〉では暗室実習企画していますので、ぜひ次はなるほどと言う体験をしてみてください。 

暗室実習参加ご希望の方はメールにて岩波までお知らせください。
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by hikari_tabaneru | 2006-08-19 22:07 | ・オプショナル企画


松本路子
プロフィール

写真家。人物ドキュメント、海外レポートなどで仕事を 始め、訪れた国は60数カ国にわたる。1980年代からは、 人物やアーティスト・ポートレイトを中心に作品を発表。 主な写真集に『肖像 ニューヨークの女たち』、『ニキ・ ド・サンファール』、『Portraits 女性アーティストの肖像』、 『DANCERS エロスの肖像』など。個展多数のほか、国の 内外の美術館に作品が収蔵されている。 フォト&エッセイ集に『晴れたらバラ日和』、『魂の布 モンスーンアジア12人の女性作家たち』『ヨーロッパ  バラの名前をめぐる旅』がある。
プロデュース
岩波久美子
数年間「光を束ねる」を参加者として経験し、 表現手段としての写真の面白さに魅了される。 現在はワークショップの事務局として企画を プロデュースする役目のほか、自らの作品制作も続行中。
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